2022年4月8日金曜日

ムナーリとレオーニ(18)

 1935年②


 今回はレオーニの年譜を見ていきたい。

…と言っても、1935年のレオーニの年譜は「11月ジェノヴァ大学を卒業」(p.217)という1行のみ。

過去の年譜に書かれていることを振り返ると、レオーニは1930年にジェノヴァ大学に入学、在学中の1931年に結婚し、結婚の翌年には長男が生まれている。また、大学に籍を置いたまま、未来派の展覧会に参加したり、会計やセールスマンや広告デザインなどの仕事をしたり…と、まだ学生だったことを忘れてしまうほど、いろいろなことをしていた。

1935年のレオーニは引き続き製菓会社のモッタで働いている。図録で、モッタで手がけた作品の画像とキャプションを確認してみると、パンフレットや新聞・雑誌の広告以外にも、店舗のウィンドーディスプレイやメニューデザインなども担当していたそうだ。1934年のミラノ見本市で、ムナーリはモッタ特設館内部の空間デザインも手がけたとのこと(p.26)。同じく図録で、193436年の洒落たティールームメニューの図版を見ることができる。スパイラル製本の冊子である。

 

【書誌情報】

「レオ・レオーニ 年譜」『だれも知らないレオ・レオーニ』玄光社、2020年、pp.216-219 ※執筆担当者の表示なし

 

遠藤知恵子(センター助手)