2013年12月12日木曜日

冬期閉室のお知らせ

児童文化研究センターは、
12月20日(金)から1月5日(日)までを閉室とさせていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいませ。

写真は、先日行われたアドヴェントの集いで撮ったものです。
皆様、お身体に気を付けて 、よいお年をお過ごしくださいませ。




2013年12月5日木曜日

“soft subject”を研究するということ――キンバリー・レイノルズ氏の講演を聴いて



 201310 28日、本学クララホールにてニューカッスル大学教授キンバリー・レイノルズ氏の講演会が行われた。第14回国際グリム賞を本年受賞されたレイノルズ氏は、前日に大阪での同賞の贈呈式・記念講演を終えてから、講演に駆けつけて下さった。“My subject as my life――building a career in children’s literature studies”と題された本講演で、氏はご自身の生い立ちにも触れつつ、研究者として児童文学にかかわりはじめた1980年代以降の歩み、イギリスでの児童文学研究の現在の動向、そして、現在ご自身が興味を持たれている19101940年代のイギリス児童文学にかかわるものとして、1930年代にティーンエイジャーによって発刊された雑誌Out of Boundsについて話された。
私が最も興味深く聴いたのは、氏の1980年代以降の歩みについてだった。1980年代には、児童文学はアカデミズムのなかで専門分野とはみなされておらず、“soft subject”として、綿密な議論に堪えないものとして受け取られていたという。女性研究者であることと、“subject”が子どもであること、この2点が、レイノルズ氏が研究キャリアを重ねてくるなかで、取り組みをシリアスに受けとめてもらうための障壁であったと話されていた。その一方、当時は女性運動が活発になっていた時期であり、女性研究者への見方も変化してきていたこと、また、カルチュラル・スタディーズの登場でキャノンや伝統がゆらぎをみせ始め、学問界がスピーディに変化しており、“soft subject”の研究も認められ始めていたことが、研究分野としての児童文学を切りひらいていくのに助けとなったという。
しかし、そうした状況の助けがあったとはいえ、その後の児童文学研究の基盤の築きは、何より氏の奮闘あってこそのものである。前任のローハンプトン大学では児童文学に興味のある英文学者という形での出発だったといい、児童文学は“soft subject”ゆえに「簡単だ」と思われ、それゆえ仕事量も多かったと話されていた。そのハードワークのなか、氏は同大学の大学院に児童文学の専門コースを創設し、若手研究者へ道をつくり、児童文学研究センターを立ち上げて児童文学研究全体の把握や活動の活発化を可能にし、研究分野としての児童文学の基盤を築き上げていった。氏は、こうした活動はひとりでやってきたものではなく、さまざまな形で児童文学にかかわっている方たちのはたらきあってのものだと話されていたが、その熱意や取り組みを活かし、機会をつくり、人をつなげていった氏の尽力があってこそ、形になったものなのだろうと思う。
90分にわたる内容豊かな講演のなか、とりわけ印象に残っていることが2つある。1つは女性研究者としてのご自身の歩みについて、女性もハードワークをこなすことができる、ということを示す必要があり、これまでこなしてきたが、それにより、後の女性に対するハードルを上げてしまったかも知れない、と話されたこと、そしてもう1つは、児童文学研究の今後に関し、個別分野として続けていく方向性にも需要はあると思うが、分野を横断し、多分野それぞれに特化するなかで考えていく方が良いかもしれないと話されたことである。ハードワークをこなして女性研究者への不信を払拭し、児童文学研究者として分野の確立に貢献されてきた氏が、そうしたことの重要さを痛感した上で、それに拘泥することなく「これから」を思考する姿に、“soft subject”を研究する者の、“soft”さを大切に思うがゆえに絶えず問い続けてゆく真摯さを感じた。終わらない生の営みとして“subject”に向き合うという、氏の真摯な姿勢に、背筋の伸びる思いのする講演会だった。

(小林夏美 本学児童文学専攻博士一年)

キンバリー・レイノルズ博士講演会レポート



 レイノルズ博士が、国際グリム賞を受賞されてすぐの講演会。
 心配をしていた台風二十七号も過ぎ去り、講演会当日は雲一つ無い好天に恵まれ、とても多くの方が足をお運びになっていました。
 会場となった白百合女子大学クララホールは満員御礼、二人掛けの机に三人掛けされている方もちらほらと言った具合でした。
 我々児童文学・文化専攻修士一年も会場設営の手伝いを済ませ、会場へ。今か今かという雰囲気の中、本専攻主任である白井澄子先生のご挨拶から、講演会がスタートします。
 講演の前半部はレイノルズ博士の半生と共に、児童文学研究というものがどの様な歩みを経て来たのか、というお話が、後半部分では、先生の新書の内容に関わる、子供の作る出版物というテーマのお話がありました。
 特に前半の、児童文学の歩みというテーマでは、レイノルズ博士がどの様なご家庭でお生まれになり、どの様な経歴を経られて来たのか、それと共に当時の児童文学研究がいかに手探りなものであったかということを、つぶさにお話しいただきました。
 印象的な言葉としては、なぜレイノルズ博士が児童文学研究を志されたのか、という場面での、“Children’s Literature chose me.”という一言でしょう。会場のどなたもが、ご自身の足跡を振り返るきっかけになったのではないでしょうか。
 質疑応答の時間になると、本学学生から、他大学で教鞭をとられている方々等、会場のあちこちで、幅広い層の方からの質問が飛び交いました。“Thank you Kim.”と、レイノルズ博士に親しげにお話しされる先生もいらっしゃり、レイノルズ博士がいかに日本にゆかりある方であるか、と言う事を改めて知らされる事となりました。
 レイノルズ博士の最後の一言は、“Enjoy!”
 司会の白井先生達と共に、会場を後にされていきました。

(鹿野裕人 本学児童文学専攻修士一年)

2013年9月26日木曜日

キンバリー・レイノルズ博士講演会! ※終了しました。

この講演会は大盛況のうちに終了いたしました。
ご来場、誠にありがとうございました。


第49回研究会が決定致しました。

英国ニューカッスル大学教授である、キンバリー・レイノルズ博士が、
第14回国際グリム賞を受賞されることになりました。
その授賞式のために来日されるのを機に、
児童文学研究の第一線で活躍される博士を白百合にお招きして、
英米の児童文学に
ついてご講演いただきます。
皆さま、お誘い合わせの上、ぜひご参加くださいませ。

日時:2013年10月28日(月)
時間:15:30~17:30
 場所:クララホール(11号館3階)
講演者:キンバリー・レイノルズ博士(児童文学研究者)
講演題目:"My subject as my life - building a career in children's literature studies."

通訳灰島かり氏(本学非常勤講師・翻訳家)
 司会:白井澄子氏(児童文化学科教授)

学部生、院生、OG・OBの皆さま、ぜひぜひご参加ください。
(外部の方もご参加いただけます!)
お席に限りがございますので、
参加希望の方は10月24日(木)までに
jido-bunあっとshirayuri.ac.jp
まで、ご連絡ください。
(お手数ですが、「あっと」を@に直してください)
 
※お席に余裕があれば当日参加も可能です。
その他お問い合わせは上記のメールアドレスまでお願い致します。

2013年8月6日火曜日

夏期閉室のお知らせ

児童文化研究センターは、8月7日(水)から9月19日(木)まで夏期休暇期間として閉室いたします。
ご不便おかけいたしますが、何卒ご了承くださいませ。

皆さま、どうぞ良い夏休みをお過ごしください!

2013年6月27日木曜日

構成員研究発表会のお知らせ ※終了いたしました

この講演会は大盛況のうちに終了いたしました。

ご来場、誠にありがとうございました。

 
第48回研究会が決定いたしました。
当大学院、博士課程に在席する院生による研究発表会を開催いたします。

2013年722日(月)15時~1750
白百合女子大学 1204教室

15001530

「ケイタイ小説とインターネット小説」


15351605

「日本YA文学と「青春」のかかわり」


16101640

「思春期文学における成長と成熟」


16451715

「『オズ はじまりの戦い』考察」 


17201750

「絵本を開く<場>、<場>を開く絵本」

この研究会は、院生、構成員等、学内関係者はどなたでもご参加いただけます。
事前のお申し込みは不要です。
ぜひご参加くださいませ。

2013年4月25日木曜日

閉室のお知らせ


入学式から約1ヶ月、
桜はあっという間に散ってしまいましたが、ハナミズキやモッコウバラが美しい今日この頃ですね。
新入生の皆さまは、そろそろ学校生活に慣れて来られた頃でしょうか。
何か困ったことがおありのときは、いつでもセンターにお立ち寄りください。

さて、児童文化研究センターは
4月30日(火)より5月2日(木)まで閉室いたします。
ご不便をおかけしますが、何卒ご了承くださいませ。

皆さま、どうぞ良いゴールデンウィークをお過ごしください!


センターから見える学内の風景の中にもハナミズキが!
どこだかわかりますか?

2013年3月12日火曜日

春期閉室のお知らせ


児童文化研究センターは
3月18日(月)より3月22日(金)まで閉室いたします。

ご不便をおかけしますが、何卒ご了承くださいませ。

寒暖の差が激しい毎日ですが、皆さまどうぞご自愛くださいませ。

2013年2月26日火曜日

勉強会のお知らせ


以下の日程で石井直人先生主催の勉強会が行われます。


第1回 3月19日(火)14:00~ 9412教室
  「『長新太の絵本の不思議な世界』を読んで雑談する会」
第2回 3月26日(火)14:00~ 9412教室
  「メルロ=ポンティ「セザンヌの疑い」を読んで苦しむ会」


以上の勉強会は、「児童文学特殊研究A」(絵本論)の授業から派生したものです。

センター構成員であればどなたでもご参加可能です。
ご参加にあたり、事前連絡等は必要ありません。
また、第1回、第2回どちらかのご参加でも結構ですので、是非ご参加下さい。

「セザンヌの疑い」は、中山元訳・ちくま学芸文庫版がわかりやすいとのことです。

何かご不明な点があればセンターまでお問合せ下さい。
どうぞよろしくお願いいたします。

2013年1月17日木曜日

講演会のお知らせ

講演会のお知らせです。
 
児童文化研究センター研究員のマリア・エレナ・ティシ氏が

2月7日(木)にイタリア文化会館で行われるイベント、
 
 
「エミリオ・サルガリ 限りなき冒険」
にて講演を行います。
 
※要予約




詳細はこちらからご覧ください。
 

夜からの講演ですので、ご都合の良い方は是非ご参加ください。