2026年9月17日木曜日

ミニ展示 9月17日~10月1日

タゴール初来日110年


 ボリウッド映画の人気やターラーブックス(タラブックス)の絵本などにより、ますます存在感を強めているインドの文化。後期最初のミニ展示は、インド児童文学を紹介する雑誌です。

【展示資料】
『チャンパの花』第10号
2016年12月

 『チャンパの花』第10号が刊行された2016年は、タゴール(※)の初来日から100年にあたる記念の年。今回展示する『チャンパの花』も、記念となる第10号です。
 中身を見ると、伝承文芸、仏教説話、創作やエッセイの翻訳、現代インドの作家やジャーナリストによる講演の抄訳・抜粋などを収録。タゴールのノーベル文学賞受賞記念スピーチも収録されています。


※ラビンドラナート・タゴール(1861-1941)。インドの詩人。1913年に詩集『ギタンジャリ』(英語版)で、アジア人として初めてノーベル文学賞を受賞。


【関連書籍】
 『チャンパの花』に収録した資料を再録するとともに、インド児童文学の会の活動をまとめた書籍、『蓮の花の知恵 インドの児童文学にかかわって』(鈴木千歳著、小学館スクウェア、2025年)が白百合女子大学図書館に所蔵されています。

 2026年もタゴール初来日から110年の節目の年。ノーベル賞受賞者の発表も近いこの時期、お手に取ってみてはいかがでしょうか。

チャンパの花は「プルメリア」とも呼ばれる
良い香りのするお花です。


2026年8月24日月曜日

講演会のお知らせ

鈴木まもる先生講演会

絵本作家・鳥の巣研究家の鈴木まもる先生をお招きして講演会を開催いたします。

〈第78回 児童文化研究センター研究会 鈴木まもる先生講演会〉
タイトル:絵本と鳥の巣の不思議 ―鳥の巣が教えてくれること―

日時:2026年10月11日(日)14:00~15:30 (13:30開場)
場所:白百合女子大学1号館3階 ポルタ・チェーリ
定員:180名(先着順)参加無料・どなたでもご参加いただけます。

参加ご希望の方は、下記のフォームからお申込みください。

〈お申込みフォーム〉

皆さまのご参加をお待ちしております。

2026年8月3日月曜日

夏期閉室のお知らせ

 児童文化研究センターは、8月4日(火)から9月16日(水)まで閉室とさせていただきます。
 ご不便をおかけいたしますが、なにとぞご了承くださいませ。
 
暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。

2026年7月24日金曜日

次回研究会のお知らせ ※終了しました

第77回研究会
「児童文化研究センター研究会 前期発表会」


盛会のうちに終了いたしました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

今回の発表会では、「修士論文中間発表」を行ないます。

日時:202683日(月)13:001330

場所:9012教室(本館地階)


  • 学内の方ならどなたでもご参加いただけます。直接会場にお越しください。
  • 発表の終了時刻は前後する可能性がございます。予めご了承ください。
  • 参加をご希望の学外の方は、事前に児童文化研究センター(jido-bun@shirayuri.ac.jp)までメールでお申し込みください。

2026年7月10日金曜日

ミニ展示 7月10日~7月22日

モダンホラーの傑作

 17世紀ハンガリーの「血の侯爵夫人」ことエリザベート・バートリは、『ベルサイユのばら 外伝 黒衣の侯爵夫人の巻』にも登場する実在の人物。

恐怖に満ちた彼女の伝説が、英国モダンホラーの先駆者ジョン・ブラックバーンによって、20世紀のロンドンに蘇ります。


【展示本】
『痛苦の聖母』《怪奇の本棚》シリーズ第2回配本作品
ジョン・ブラックバーン 作
永島憲江 訳
国書刊行会、2026

展示期間中も借りられます。お手に取ってご覧ください。

『痛苦の聖母』表紙は、
エリザベート・バートリの肖像画
(作者不明、17世紀)に基づく
アートワークです。

画像の典拠:国書刊行会ウェブサイト(2026/07/10閲覧)
https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336078360/?srsltid=AfmBOoqTub0fYlNmtEbSqE5z7JHm5iQROy4z-lEiC6aJBeRJvudNpOi7
画像情報の典拠:本書カバー袖

2026年6月25日木曜日

ミニ展示 6月25日~7月8日

岩岡とも枝生誕130

 

【展示本】

『ビランジ』第33

20143

 

 岩岡とも枝(1896-1933)は、大正後期から昭和初期にかけて、子ども向けの出版物や絵雑誌に挿絵を描きました。岩岡は、上質なグラフィズムによって現在も高い評価を得ている絵雑誌『コドモノクニ』にも彩管をふるった画家です。

 展示中の資料、『ビランジ』には、上笙一郎氏による記事「岩岡とも枝=女性童画家三番目の人」が掲載されています。

2026年6月12日金曜日

ミニ展示 6月12日~6月18日

茨木のり子生誕100

詩人、茨木のり子は1926612日生まれ。ご存命でしたら、本日、2026612日は100回目のお誕生日です。茨木のり子というと、『自分の感受性くらい』(1977年)や『倚りかからず』(1999年)といった茨木の後半生における代表的な詩集とともに、谷川俊太郎が撮影した肖像写真を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

【展示本】

『韓国子守唄 チェジャン歌』

ペク・チャンウ 詩、ハン・ジヒ 絵、大竹聖美 訳

古今社、2003

 

『論文集 韓国キリスト教児童文学資料集』

大竹聖美 責任編集

東京純心大学こども文化研究センター、20162

 

茨木のり子は韓国語の詩の翻訳でも知られています。このことにちなんで、今回の展示本は『韓国子守唄 チェジャン歌』(ペク・チャンウ詩、ハン・ジヒ絵、大竹聖美訳、古今社、2003年)と『論文集 韓国キリスト教児童文学資料集』(大竹聖美責任編集、東京純心大学こども文化研究センター、20162月)の2冊です。翻訳や責任編集を務めた大竹聖美先生は、本学大学院児童文化専攻のOGで東京純心大学教授、本学でも韓国児童文学の授業を担当されています。

『韓国子守唄 チェジャン歌』は韓国に伝承されてきた子守歌をそのまま、あるいは現代語に直して紹介する絵本です。『論文集 韓国キリスト教児童文学資料集』には、茨木のり子が好きだった尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩のうち、「おねしょの地図」「えんとつ」「こおろぎと ぼくと」が対訳で紹介されています。

茨木がハングルの勉強を始めたのは50歳の頃です。49歳になる年、夫の三浦安信と死別し、翌年からハングルを学び始めました。彼女の韓国語学習の直接の理由は、夫を失った悲しみから立ち直るため勉強にのめり込む必要があったことだと言えそうですが、それよりずっと前、少女の頃に『朝鮮民謡選』(金素雲訳編、岩波文庫、1933年)を愛読していたと、茨木はエッセイ集『ハングルへの旅』(朝日文庫、1989年。1986年朝日新聞社刊)に書いています。同書によると、1945年の敗戦直後からいつかハングルを学びたいと思っていたそうです。また、戦後、古代史研究が解放されると茨木はむさぼるように古代史を読み、韓国語を学んで『古事記』を読み直してみたくなります。日本の多くの詩人たちがヨーロッパ語圏の詩を訳しているように、自分も隣国の詩を原詩で読み、訳してみたいという意欲もありました。韓国の詩人、洪允淑(ホン・ユンスク)の一言で、韓国併合から降伏文書調印まで、日本が隣国の方々に日本語教育を強いてきたことにハッと気づかされ、今度は自分が韓国語を学ぶ番だと感じたことも、動機の一つ。他にも、李朝民画が好きだったことも、陶器の好きな目利きの祖母への憧憬も、ともかく本当にたくさんの動機があって、それらを全てひっくるめて「隣の国のことばですもの」(p.24)とまとめて、茨木のり子はハングルを学びます。

茨木の韓国語学習は、韓国童話集『うかれがらす』(金善慶文、丸木俊絵、筑摩書房、1986年)の翻訳や、翻訳詩集『韓国現代詩選』(花神社、1990年)などに実を結びました。

 

【書誌情報】

茨木のり子『ハングルへの旅』朝日文庫、1989年(1986年朝日新聞社刊の文庫版)

大竹聖美責任編集『論文集 韓国キリスト教児童文学資料集』東京純心大学こども文化研究センター、20162

ペク・チャンウ詩、ハン・ジヒ絵『韓国子守唄 チェジャン歌』大竹聖美訳、古今社、2003