村山壽子 没後80年
【展示本】
『日本児童文学大系 第26巻 村山壽子 平塚武二 貴司悦子』
ほるぷ出版、1979年
幼児期後期から児童期のはじめくらいの子ども達を対象とする物語作品は、「幼年文学」や「幼年童話」などと呼ばれています。村山壽子(むらやま
かずこ 1903-1946)は、現在の私たちが「幼年文学」「幼年童話」などと呼ぶような、幼い子どもたちに向けた作品を数多く書きました。
今回の展示本は、壽子の童謡と童話を収録した『日本児童文学大系 第26巻、村山壽子 平塚武二 貴司悦子』です。
やまさき・さとし編「村山壽子年譜 付
村山知義略年譜」によると、壽子は羽仁もと子・吉一が設立した自由学園の第一期生で、在学中、もと子の勧めによりルポルタージュを『婦人之友』に発表します。1923年に自由学園を卒業すると、羽仁夫妻が経営する婦人之友社に入社します。記者となった壽子は高村光太郎、徳田秋声、島崎藤村、佐藤春夫などの作家訪問記を発表。1924年から、雑誌『子供之友』に童謡・童話を発表し、編輯に従事するようになります。壽子の作品は、動物や野菜、台所道具やおもちゃなどを主人公とするものが多く、芸術家で、のちに彼女の夫となる村山知義による挿絵とともに記憶されています。
壽子の作品は著作権保護期間が終了しており、青空文庫などでも読むことができます。
ここでは、展示本の最初に収録された、壽子の童謡をご紹介します。
美しい王子様のおせなかに
まつかなマントが
ゆれてゐるかな
美しい王子様のおん馬車の
馬が青い空を
眺めてゐるかな
壽子が20歳の頃に『子供之友』第18巻第3号(1924年3月)に発表した、無題の童謡です。初出時は旧姓の岡内壽子の名で発表しています。




