(14)写真絵本にゃ!
センター構成員の皆さま、ご機嫌いかがかにゃ? 三文庫の守り猫、猫村たたみですにゃ。
突然にゃけど、私、写真が大好きなのにゃ。旅行に行くたびにパシャパシャパシャパシャ、写真を撮って大事に大事にアルバムに収めているのにゃよ(一番のお気に入りは、妖怪仲間と一緒に行った風流踊りツアーの集合写真ですにゃ。室町時代の京都は素敵だったのにゃ~)。いつか私の写真コレクションを皆さまにお見せしたいのにゃ!
そんなわけで、今回は、三文庫の中から、写真絵本をひとつ、取り上げてみたいと思うのにゃ!
The First
Picture Book: Everyday Things for Babies. Produced by
Mary Steichen Martin, Edward Steichen, Harcourt, Brace and Company, New York,
1930.
昨年、『別冊太陽スペシャル 写真集を編む』(平凡社、2021年5月)が刊行されたとき、写真絵本についても取り上げられていたのにゃけど、ここに紹介されていた写真絵本のうち、The First Picture Bookが検索でヒットしたのにゃよ。初版第2刷が光吉文庫に所蔵されているのにゃ。別冊太陽に写真入りで紹介されていたのは、赤い表紙の1991年の復刻版。この復刻版は金平文庫にあって、初版とはまた違ったシャープな印象なのにゃよ(ちなみに、光吉文庫の初版本は、グレーの表紙にタイトルが赤い文字で印刷されていて、これはこれで素敵なのにゃ)。
復刻版には初版になかった解説が加わっているのにゃけど、中身の写真は同じものが印刷されているのにゃ。一枚一枚、ページを繰ってみると…にゃ~む…トーストとミルク、テディベア、靴下と靴…といったように、幼い子どもたちの身の回りにありそうなものを被写体にした、静物写真が収録されているのにゃ! 言葉や物語的な要素は意図的に排除されているということなのかにゃ~? だけどですにゃ、写真の配置に、一冊の本としての構成も感じられるのにゃ(前半は屋内の写真ばかりにゃったけど、後半になると屋外の写真がちょこ、ちょこ、と入ってくるところとか)。
おもちゃや食べ物や服といった身近なものが、写真の真ん中にきれいに収まっているのにゃよ。どの写真も、奇をてらった演出はなくて、はっきりくっきり撮られているのにゃよ。被写体となった物はどれもこれも、子どもたちの生活の一部にゃからね~。指をさして、物の名前を呼びたくなるのにゃね。
そして、初版と復刻版を比べてみると、印刷が全然ちがっていて面白いのにゃ! 初版では、紙から黒い油分が染み出してくるんじゃないかと思うくらい、一ページ一ページがこってりしているのに対し、復刻版は光の当たった部分と影になっている部分のコントラストがはっきりしていて、被写体の存在感が強いのにゃ。紙の質感も違うにゃね~。にゃけど不思議なことに、復刻版の方が何もかもはっきり見えるというわけではないみたいなのにゃよ。たとえば、19枚目の人形を乗せた乳母車の写真を比較すると、床板の形が分かるのは初版の方で、復刻版では床は黒い平面に見えるのにゃ。
にゃ~む、印刷の違いも興味深いのにゃ!。
構成員の皆さまは簡単な手続きで三文庫をご利用いただけますので、何かの折に、この違いを比べて見ていただきたいですにゃ!
※三文庫のご利用方法については、新型コロナウイルス感染症の感染状況によっては一時的な変更や休止などがある場合がございますにゃ。にゃから、閲覧を希望する資料を事前にご確認いただいた上で、センターの助手さんに利用方法をお尋ねくださいませにゃ~。
三文庫の蔵書検索は白百合女子大学図書館HP 白百合女子大学学術リソース「児童文化研究センター文庫検索」(https://opac.shirayuri.ac.jp/lib/resources/jbunko/)でできます。