2022年6月1日水曜日

【書評番号4】ド・ブリュノフ、ロラン『ボノム』アシェット、1965年

 

  原題はBonhomme(de Brunhoff, Laurent, Hachette, 1965)にゃ。

 ふにゃっとした輪郭の、不思議なひとが登場するお話の絵本にゃよ。その名も「ボノム(男の子)」にゃ。山の上の、木の隣にいて、ぽちゃっとしていて、頭の後ろに棘が生えているのにゃよ。

望遠鏡で山の上のボノムを見つけたエミリーは、ボノムがどうしてたったひとりでそんなところにいるのか気になって、山登りを決行するのにゃ。山の上にたどり着いたエミリーがお近づきになろうとして声をかけると、ボノムは木の周りをぐるぐる回り出すのにゃ。チャーミングにゃね~(にゃけど、ボノムは何をしたかったのかにゃ~?)。はじめは警察に捕まえられて動物園の檻に入れられてしまうボノムなのにゃ。でも、エミリーの必死の説得のおかげで、棘の先に栓をすることを条件に出してもらって、エミリーのお家に行くのにゃよ。さてさて、ボノムはエミリーのお家でどんなふうに過ごすのかにゃ? エミリーはボノムと仲良しになれるのかにゃ?

ところでですにゃ、実はこの本、日本語訳が出ているのにゃけれど、あまり多くを語らない謎めいた作品にゃったから、金平文庫にあった原書に挑戦したのにゃよ(あ、ちなみに光吉文庫にもあるのにゃ!)。にゃけど、原書を読んでも結局、この絵本の結末をどう受け止めれば良いのか、分からないのにゃよ…ま、それはそれで味わい深いと言えるかもしれないにゃね。

Bonhommeの作者、ロラン・ド・ブリュノフは「ぞうのババール」シリーズの作家ジャン・ド・ブリュノフの息子さんなのですにゃ。お父さんが亡くなった後はこちらのロランさんが「ぞうのババール」シリーズを引き継いでいるのにゃけど、こんな作品もつくられていたとは知らなかったのにゃ! ボノムには俳画っぽい雰囲気があって、たいへん興味深いのにゃ! ボノムとエミリーの関係も、お互いに自立していて、粋ですにゃよ。



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