2024年6月13日木曜日

猫村たたみ、朝ドラ読書会

『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』
井上ひさし 文 いわさきちひろ 絵 講談社 2006

皆さまは、朝ドラ(NHKの連続テレビ小説)はお好きかにゃ? 私は大好きなのにゃ!

猫村たたみ:
センター三文庫の守り猫(ねこまた)。
書物をこよなく愛する図書館司書であり、
昭和初期にはタイピストとして働いていた
経歴をもつ。趣味は写真と旅行とダンス。

いま放映中の『虎に翼』は女性として日本で初めて弁護士、そして裁判所所長ににゃった三淵嘉子さんをモデルにしたお話なのにゃけど、法律って社会に必要なだけにゃなくて、人々の人生を左右するのにゃね〜。とっても興味深くて、どんなに悲しい展開が続いても観ないではいられないのにゃよ。

 敗戦後、ドラマのヒロイン、寅子ちゃんが日々の生活に追われる姿を見るのはつらかったのにゃ〜。愛する夫の戦病死を知ってもきちんと悲しむこともできないほど疲弊してしまうのにゃよ。戦争って残酷なのにゃ。にゃけど、亡くなった夫君との思い出の焼き鳥を包む新聞紙に新しい憲法が印刷されていて、その新憲法に力を与えられて寅子ちゃんは法曹界に舞い戻るのにゃ。私、それを見て感激したのにゃ!

 あの神回のあと、無性に日本国憲法を読みたくにゃって、うちの本棚にあった『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』を、引っ張り出したのにゃ。

何故にゃらば、この本の末尾には、付録として日本国憲法の全文が収録されているのにゃよ。寅子ちゃんを勇気づけた第一四条【法の下の平等、貴族の禁止、栄典】(58ページを参照にゃ)をじっくり読んで、噛みしめたのにゃ。

今日は、付録だけにゃなくて、本文を読むのにゃ! もしよろしければ、皆さまもご一緒にいかがかにゃ?

 

 この本の前半部分は、作家の井上ひさしさんが憲法の前文と第九条を、それぞれ詩的で易しい言葉に置き換えて表現したものを、いわさきちひろさんの描いたお花や子どもたちや小鳥たちの絵と組み合わせたページにゃ。誰もが戦争に苦しまずに天寿をまっとうできる世の中になるようにという願いを込めて、憲法を日常語に翻訳しているのにゃよ。

後半は「憲法って、つまりこういうこと」という、日本国憲法そのものの説明にゃ。この後半部分では、戦後、新憲法の施行にあたって当時の文部省が子どもたちに配布した「新しい憲法のはなし」のことも紹介されているのにゃ。『虎に翼』の寅子ちゃんは日本国憲法を手で書き写していたのにゃけど、当時は大人も子どもも同じスタートラインに立って、新しい憲法について学んだのにゃね〜。

 もちろん、1947年に新憲法が施行されたからって、その年を境にみんなの暮らしが変わるわけではないのにゃ。その後の復興の過程でだんだん社会が変わって、生活も変わっていくのにゃね。復興までにはたくさんの犠牲が払われるのにゃけど、寅子ちゃん、どうかめげずにお仕事がんばってにゃ~!

猫村たたみ