1936年②
今回はムナーリの年譜である。
1936年、ムナーリは第6回ミラノ・トリエンナーレ(5月31日-11月1日)と第20回ヴェネツィア・ビエンナーレ(6月1日-9月30日)に参加したほか、4つのグループ展に参加している。年譜を読み、思わずぎょっとしてしまったのが、同年の2月から3月にかけて開催された「第7回ミラノ、ファシスト美術連合展」と10月から11月にかけて開催された「第2回イタリアおよびアフリカのファシスト建築壁面造形展」。この時代の人にはこの時代の人の事情というものがあるはずだから、現代の眼から見て軽々しくコメントをするのは避けたいけれど、この二つの展覧会に、ムナーリは何を考えながら参加したのだろうかと気になってしまう。
また、この年のムナーリは、「第2回ポレージネ美術協会展 本とグラフィック・アート」(7月12日-8月2日)や「映画舞台装飾展」(9月19日-[終了時期の記載なし])にも参加している。なんて面白そうな展示だろうか。行けるものなら行ってみたい。
たった1年分の年譜に記載された展覧会のタイトルを見ただけでも、ムナーリが一筋縄ではいかない時代を生きていたことが伝わってくる。
【書誌情報】
奥田亜希子編「ブルーノ・ムナーリ年譜」『ブルーノ・ムナーリ』求龍堂、2018年、pp. 342-357
遠藤知恵子(センター助手)