2025年10月3日金曜日

猫村たたみの三文庫(非)公式ガイド 番外編

猫村たたみ、出版社の社史を耽読する


 この記事は、白百合女子大学児童文化研究センターオリジナルキャラクター「猫村たたみ(ねこむら・たたみ)」によるものです。猫村は、児童文化研究センターの貴重書庫「三文庫」を図書館司書として守り、その魅力を広く伝えるという職務遂行上の理由から、語尾に「にゃ」をつけたいわゆる「キャラ語」を用います。本ブログ記事をお読みくださる皆様におかれましては、キャラクターの性質をご理解の上、猫村たたみの世界観をお楽しみくださいますよう、お願い申し上げます。


皆さま、ご機嫌いかがかにゃ?

 三文庫の守り猫、猫村たたみですにゃ。2025年度後期が始まって、皆さまにお会いできることが嬉しくてたまらないのにゃ~。

 新年度が始まったときにも申し上げました通り、私の2025年度の目標は「原点回帰」なのですにゃ! 図書館司書としての知識に磨きをかけるため、今年度は本についての本を、一生懸命、読んでおりますのにゃ。

この数週間ほどは、出版社の社史が面白くて、児童文化研究センターの本棚の、あまり使われていないゾーンにうらぶれているのを引っ張り出しては楽しんでいるのにゃよ。たとえば、『偕成社の歩みⅡ[一九八五-一九九六]』(偕成社、1997年)には、こんなくだりがあるのにゃよ。

 

七月[1987年7月にゃ!:猫村]、俳優石原裕次郎がガンで五十二歳の生涯を閉じ、葬儀にはその死を悼んで三万人のファンが参列した。裕次郎は戦後の青春像のシンボルだったが、幼児のシンボルといえば、なんといっても「ノンタン」であろう。(p.17

 

 1987年の世相と出版物とを結び付けながら、同じ年に刊行が始まった〈赤ちゃん版ノンタン〉シリーズを紹介するのにゃよ(「ノンタン」シリーズ誕生は1976年にゃよ。その頃の石原裕次郎さんはというと、石原プロが初めて本格的にテレビドラマを手がけた、「大都会」シリーズの放映が始まっていたのにゃ)。「青春像のシンボル」=石原裕次郎さん、「幼児のシンボル」=ノンタンって並べると、ノンタンが格好良く、石原裕次郎さんが可愛く思えてくるのにゃ。石原さんもノンタンも、やんちゃなプレイが魅力にゃし、実は似た者同士にゃったのかもしれないのにゃね~。

 読み応えのある長編も、キャラクターの可愛らしさたっぷりの絵本も、学習教材にもなるノンフィクションや、図鑑や事典も、出版された順番に紹介されているから、児童書出版を通じて、それぞれの時代を考えることができて味わい深いのにゃ~。