児童文化研究センターは、12月24日(木)より1月6日(水)まで閉室とさせていただきます。
ご不便をおかけいたしますがなにとぞご了承くださいませ。
![]() |
皆様の健やかな日々をお祈りしております 今年も一年、ありがとうございました |
「MUJI BOOKS 人と物」と銘打った、文庫サイズの素朴な白い本がいかにも無印らしい。1冊500円ほど。シリーズの9冊目、『濱谷 浩』(良品計画、2018年)の帯に書かれた「こども風土記」が気になり、手に取った。1959年に中央公論社から刊行された『こども風土記』に収録された写真と言葉の一部が採られ、この文庫本に掲載されている。
白黒のざらりとした印刷の、15点の写真は、今から60年以上前の、日本各地の子どもたちの暮らしを紹介していた。京都の「タコ焼き」、東北の「ボンデン奉納祭」、北海道の「月光仮面」(月光仮面ごっこに興じる子どもたち)と「アイヌ」、瀬戸内海の「鬼祭り」…等々、それぞれの地域の色を映し出す写真たち。ちなみに東京は、港区ナザレ幼稚園のクリスマス祝会で、子どもたちがキリスト降誕の劇を演じる場面が選ばれていた。
写真に切り取られた風景の美しさや、子どもたちの無心な様子(他所からやってきたカメラマンに対し、どうしてこんなに自然な表情を見せてくれるのだろう。濱谷は自身のことを「冬には、雪がこどもの国に降るように、夏には、トンボがこどもの国に飛んでゆくように」(p.74)などと形容している)が魅力的なのはもちろんだが、濱谷による「後記」も印象的だった。
いろいろな国で、それぞれの暮らしがありました。豊かな国もあれば、貧しい人もいるのです。こどもの国には天使もおり、悪魔もいるようです。しかしそれは可愛いい天使たちで、可愛いい悪魔どもで、みんな精一杯、生きることに無我夢中でした。(p.74)
ここで言う「国」は、“国家”ではなく、“生まれ故郷”というほどの意味だろう。そして、それぞれの国に生きる子どもの領分を、濱谷は「こどもの国」と呼んでいる。
こどもの国には楽しいことも悲しいことも起こるが、濱谷は悲しい場面は写さなかったそうだ。カメラがそっぽを向いてしまったと述べている。
そうした時、私のカメラはそっぽを向いてしまいます。これはこどもの国の出来事ではなくて、おとなの世界の問題なのです。やはり、私はおとなの世界で、濁って醜い空気の中で、やらなければならない仕事があることを、あらためて思い知らされたのでありました。(p.75)
「こどもの国」で起きる悲しい出来事の原因は、「大人の世界の問題」が作っている。そのことを、こんなふうにストレートに書いてあるのを読んで、どきりとした。「後記」からは、濱谷が『こども風土記』にふさわしい楽しい場面を選び取り、「悲しい場面」を排除したことが読み取れるが、それはまるで、「大人の世界の問題」が「こどもの国」に襲いかかるのを食い止めようとするかのようでもある。
また、こんなことも考えた。写真は、写真家が目にしている風景を、写真家の意志に従って写し取り、加工したものであるわけだが、私たちはそうして撮られた写真の中に真正性を求めがちだ。確かに写真には出来事の証拠となる力があるが、真正性と撮影者の思いに基づく表現とは、必ずしも互いを排除し合うものではない。
…と、こんなふうに、『濱谷 浩』の「こども風土記」のページを眺めつつ考えごとをしたわけだが、あくまでも、小さな文庫本に収まったわずかな写真を見ながらのことである。実際に出版された写真集を見たいし、できれば大きくプリントされた展示用の写真も見てみたい。
2020年は調査研究のための外出も躊躇わねばならない年だった。年が明けてからも当面の間は油断できないが、次にやってくる2021年が少しでも明るい年であるよう、祈りながら日々を過ごそう。
遠藤知恵子(児童文化研究センター助手)
かなり唐突であるが、ぜひとも語りたいぬいぐるみのシリーズがある。
ディズニー・ストア限定のぬいぐるみ、UniBEARSity(通称:ユニベア)についてだ。
これはディズニー・キャラクターを模したテディベアシリーズのことを指す。
「なぜクマなのか?」と首をかしげる方も多いことだろう。
それにはちゃんとした理由がある。
これらのクマには制作された経緯・物語が存在する。このクマの一連のシリーズのはじまりは、おなじみミッキー、ミニー、ドナルド、グーフィ―などのユニベアである。
このユニベアたちは、なんとミッキーたちが作ったものなのだ。
作った理由は、クマがシンボルの学校に通うミッキーたち。
その授業の課題でクマの物語を制作する課題が出たミッキーたちが、物語を作るために、テディベアをそれぞれ作ったのである。これがユニベアのせって…誕生秘話である。
(https://shopdisney.disney.co.jp/special/unibearsity-content.html)
わかる。つっこみどころはたくさんあることは私にもわかる。
しかし、そんなことは問題ではない。
このユニベアシリーズ、とっっってもかわいいのである。(*もちろん、好みや感じ方に個人差はあります)
可愛いものは、私にとっては些末なことを忘れさせる。恐ろしや。
これ以外でも最近ではユニベアシリーズには「プリンセス」シリーズのものや、期間限定のさまざまな物語の人物を模したベアが続々出されている。
ディズニー・シーでもダッフィーというかわいいクマが存在するが、ディズニー・ストアだって負けていない。
気になる方はぜひ、ディズニー・ストアに足を運んでいただきたい。
もしかすると、気に入ったクマが見つかるかもしれない。
阿部泉