(7)青春の演劇にゃ!
センター構成員の皆さま、ご機嫌いかがかにゃ?
三文庫の守り猫、猫村たたみですにゃ。
もうすぐ夏休みにゃのに、豪雨災害のニュースのたびに心配になるし、雨が降ったり曇ったり…なんだかすっきりしないのにゃ~。
湿気が多いので、三文庫の除湿器は毎日フル稼働ですにゃよ。
ごぉ~っと乾いた空気を排出する音と、ぴちょん、ぴちょん、と水の溜まっていく音を聴きながら、私こと猫村たたみ、今日も三文庫を守っておりますのにゃ。
…とは申せ、私、メーテルリンクの『青い鳥』が好きにゃので、ついつい冨田文庫に入り浸ってしまいがちなのですにゃ。
青い鳥コレクションの前に立って好きな本を眺めていると、なんだか幸せになりますにゃ~。
今日はですにゃ、楠山正雄訳による『近代劇選集(1)青い鳥外八篇』(T00744)を手に取りましたのにゃ。1920年に新潮社から出版され、センターに所蔵しているものは1922年の第14版ですにゃ。
手に持つとずっしり重みがあるのにゃ~。
中身の本はですにゃ、暗緑色の背にタイトルが金色に箔押しされていて、文字の上下に押された植物模様もきれいなのにゃ。
そして、表紙は背と同じ暗緑色と焦げ茶色で色分けしてあるのにゃ。表の表紙はこの2色の境目に銀色のラインが入っていて、かっこいいのにゃ~。
表紙・見返しをめくると、巻頭の写真版2葉は海外の役者さんの写真。挿絵はないけれど、収録された戯曲それぞれに舞台面略図があって、いずれも岡本帰一さんの意匠によるものですにゃ。
帰一さんと言えば、『青い鳥』の演出を手掛けた童画家としても有名にゃね。私も民衆座の公演を観に行きましたのにゃ。
それはもう、素敵だったのにゃよ。思い出すとため息をついてしまうのにゃ(はにゃ~)。
本文は当然、活版印刷ですにゃ。ぽこぽこした凹凸のある紙の表面が味わい深いのにゃ。
8篇の戯曲は次の通り。
沈鐘 (ハウプトマン)
心願の国 (イェーツ)
月の出 (レヂー・グレゴリ―)
海へ乗り入るるもの等 (シング)
かもめ (チェーホフ)
エレクトラ (ホーフマンスタール)
群盲 (メーテルリンク)
青い鳥 (メーテルリンク)
検察官 (ゴーゴリ)
※作者名の表記は本書に従ったのにゃ!
6番目の「エレクトラ」は1910年に発行された『白樺』創刊号でも紹介されていたのにゃ。
『白樺』は岡本帰一さん世代の芸術家にとっては、青年期の憧れの雑誌だったにゃね。
大人になっても憧れを持ちつづけるって、素晴らしいのにゃ~。
なかなか明けない梅雨にゃけど、センターは窓を開けて換気しながら8月5日(水)まで開室中ですにゃ。
皆さま、どうかお元気でお過ごしくださいませにゃ。