2019年11月1日金曜日

猫村たたみの三文庫(非)公式ガイド


猫村たたみの三文庫(非)公式ガイド 

4)検索の実験にゃ!


センター構成員の皆さま、ご機嫌いかがかにゃ?
センター三文庫の守り猫、猫村たたみですにゃ。

 荒れた天気の続いた10月が終わり、もう11月ですにゃ。穏やかな秋の日差しのなかで、たまには縁側で日向ぼっこしたいのにゃ~。

ところで、皆さまは「青い鳥」のお話は好きかにゃ? 私は大好きにゃ。「青い鳥症候群」なんていうネガティブな言葉もあるのにゃけど、青い鳥を追いかける冒険は、旅好きの私にはたまらなく素敵なのにゃ。
児童文化研究センターの冨田文庫には「青い鳥コレクション」があって、様々な種類の『青い鳥』や関連資料がそろっているのにゃ。古い本には立派なものがあって、開くとゴージャスな気分に浸れるのにゃよ。

そんなわけで、今日は「青い鳥」をキーワードに三文庫を検索するのにゃ!
三文庫の本を検索するには、白百合女子大学図書館HPの、「白百合女子大学 学術リソース」にゃね。こちらがそのURLにゃ!


「児童文化研究センター文庫」のところをクリックして検索画面を出すのだにゃ。…カチ(クリック)。
とりあえず簡易検索で「青い鳥」と入力してみるのにゃ!カタカタ(入力中)…にゃむ。それでは、「検索」ボタンをクリックにゃ!…カチ(クリック)

にゃにゃ? 190件もヒットしたにゃ。にゃ~むにゃむ…。メーテルリンク以外の人が書いた本も交じっているにゃね。こんなにいっぱいヒットするのは簡易検索だからだにゃ~。しかも、「メーテルリンク」という表記の他に、「メエテルリンク」や「マアテルリンク(マァテルリンク)」というのが出てきたにゃ。
にゃむ…なんだかおもしろいのにゃ。それぞれの名前で、何件ずつヒットするか、実験してみるのにゃ!
まずは、「メーテルリンク」にゃ。カタカタ(入力中)…クリックにゃ!…カチ(クリック)。

115件にゃ。なかなかにゃね。
「メーテルリンク」と、名前で簡易検索したから、今回は『青い鳥』以外の本も入っているのにゃ。
では、「メエテルリンク」ではどうかにゃ。カタカタ(入力中)…クリックにゃ!…カチ(クリック)。

23件! ぐっと少なくなったのにゃ。
にゃむにゃむ…一覧を眺めてみると面白いのにゃ。『メヱテルリンク』と旧かなづかいが出てきたり、「青」の字が旧字(「靑」)の本もあったりするのにゃ。「メエテルリンク」という表記は、古い本に多いのかにゃ?
最後に、「マアテルリンク」はどうかにゃ? カタカタ(入力中)…クリックにゃ!…カチ(クリック)。

19件にゃ! こちらも、比較的古い時代(戦前)のものが多いのにゃね。

実はメーテルリンクの名前の読み方については、『白百合女子大学児童文化研究センター研究論文集 16』に収録された講演録に書いてあるのにゃ。「マーテルリンク」はメーテルリンクの出身国、ベルギーでの読み方なのにゃよ。こんな風に書いてあるから、ちょっと引用しておくのにゃ。
 マーテルリンクと言うのは、言ってみれば現地[ベルギーにゃ!:猫村]の発音です。メーテルリンクとなったのは、フランス人が、それがうまく読めないというか、あるいはむしろそれがドイツ語風のスペルだと思い込んでいたからメーテルリンクと読ませてしまったものだと思います。 
ウィリー・ヴァンドゥワラ氏講演「日本におけるメーテルリンク文学の受容――『青い鳥』を中心に」『白百合女子大学児童文化研究センター研究論文集16pp.139-160より、 p140
  
 ちなみに、「Maeterlinck」と欧文表記の名前で検索すると、洋書を含む28件。ついでに、フランス語風に、「メーテルランク」と検索してみたら9件がヒットしたのにゃ(皆さまもご存じの通り、「青い鳥」の原題はフランス語でL’Oiseau Bleuにゃ。 


同じ人の名前にこんなにたくさんの表記方法があるなんて、日本特有の現象で面白いのにゃ!
本を翻訳したり紹介したりした人たちが学んだ外国語や持って生まれた言語感覚により、どんなカタカナ表記にするかが変わってくるのにゃね~(※)。

「青い鳥コレクション」は、センターの冨田文庫にゃ。請求記号でT00579T00870のあたりにゃよ。戦前の古い本から比較的新しいアニメ絵本まで豊富に取り揃えているのにゃ。
古い本は扱いに注意が必要なのにゃけど、丁寧な造本や活版印刷の凸凹など、実際に手に取らないとわからない味わいがありますにゃ。センター構成員の皆さまは簡単な手続きで入庫できるのにゃから、ぜひ、活用してほしいのにゃ。
手続きについては、前に、こんな風にお伝えしていたにゃね。

三文庫の蔵書はどれも貴重な資料にゃよ。
文庫スペースに立ち入るには、児童文化研究センターに行って、下記のとおりの利用受付が必要にゃ。
 https://www.shirayuri.ac.jp/childctr/library/sanbunko/gakunai.html 児童文化研究センターの開室時間は9:0017:00にゃ。時間に余裕を持って来室することと、事前に資料のIDを調べておくことが三文庫利用のポイントだにゃ。

・・・念のための確認にゃ!

さて、と・・・だにゃ。
それでは、私は一足お先に児童文化研究センターに行ってきますにゃ。
皆さま、ごきげんようにゃ~。

※でもだにゃ、メーテルリンクのカタカナ表記4種類なんて、まだまだ可愛いものだにゃ。例えば、画家のヴィンセント・ヴァン・ゴッホは、名字のVan Goghだけで24種類もあったのだそうにゃ(式場隆三郎『フアン・ホツホの障害と精神病』聚楽社、1932年)。数えるだけでも大変な研究にゃ! ・・・にゃ~む。名前の表記一つ取っても図書資料の目録化がどれほど大変な仕事であるかが分かるにゃね。