2022年7月29日金曜日

猫村たたみの三文庫(非)公式ガイド

15)外部機関のデジタル資料と(勝手に)コラボにゃ!

 

 センター構成員の皆様、ご機嫌いかがかにゃ?

 三文庫の守り猫、猫村たたみですにゃ。


 

 夏らしい、暑い季節になったのにゃね~。

 大学の敷地は緑が豊かにゃから、ミンミン、ジワジワ、蝉がにぎやかですにゃ(今朝も蝉の抜け殻を見つけたのにゃ!)。

 

 センターは85日(金)から922日(木)まで休室期間に入りますにゃ。

 夏休みの間は三文庫が利用できなくて寂しいにゃね。コロナの感染状況も気になるのにゃ…にゃ~む、そんなときこそ、オンライン資料の出番にゃね。

 

 今年の5月、国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」が始まったのにゃけど、構成員の皆様におかれましては、既に利用されているかもしれないのにゃね~。

 このサービスが始まったことで、国立国会図書館所蔵のデジタル化資料のうち、絶版などの理由で入手困難になっている資料を、自宅からオンラインで閲覧できるようになったのにゃ。

 

 貴重書庫は言うにゃれば絶版の宝庫ですにゃ!

 にゃから、センター三文庫の蔵書と同じ資料を、このサービスで閲覧できる場合もあるのにゃよ。まあ、もちろん、全部の資料が閲覧できるわけではないのにゃけど、手の届く範囲で調査研究を進めることができるのは嬉しいですにゃ。いろいろ大変な時代にゃけど、以前に比べて良くなったこともあるのにゃね~。

 

 そして、「個人向けデジタル化資料送信サービス」で出会った資料がもし三文庫の資料に含まれていたら、お休み明けにぜひ直接見て確認していただきたいですにゃ。紙の質感や装丁の様子は実物を手に取ってみないと分からないですからにゃ~。デジタルの時代だからこそ、実物に触れる経験は大事にゃね。

 院生の皆さんは特に、歴史的な価値があって実物が閲覧可能な資料は、必ず一度は実物を確認してくださいにゃ。猫村たたみのお願いにゃよ!

 

  • 国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」の詳細につきましては、国立国会図書館ホームページをご覧くださいませにゃ。大学図書館ホームページのリンクからもたどり着くことができるのにゃ。
  • ちなみに私の最近のマイブームは、金の星社ホームページで公開されている「金の船・金の星デジタルライブラリー」(昭和34月号までの計101冊を収録)にゃ。夜な夜なダウンロードして読んでは、幸せに浸っているのにゃよ。

2022年7月22日金曜日

ミニ展示 7月22日~8月4日

 センター入り口で、センター蔵書のミニ展示を行っております。こちらの本は、展示期間中も貸し出しをすることができます。どうぞお気軽にご利用ください。

 

展示中の本

『星空から来た犬

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 原島文世 訳 佐竹美保 絵 早川書房 2004

2022年7月14日木曜日

ムナーリとレオーニ(22)

1937-1938


 今回は、1937年から1938年にかけてのムナーリの年譜を読もう…と、意気込みながら図録を開いてみて、いまさらのように気づいたのだが、ムナーリの年譜はレオーニのものとは違い、世界情勢に関する事項はほぼ書かれていないと言って良い。わずかにプライベートなこと(1934年のディルマ・カルネヴァーリとの結婚や、1940年の息子アルベルトの誕生など)が書かれているばかりで、基本的には作品の展示やグラフィック・デザインのことで埋め尽くされていると言っていい。もちろんレオーニの年譜からも、彼が手掛けていた仕事の面白さや充実ぶりを読み取ることができるのだけれど、ムナーリと比べるとずっと社会の動きに左右されているし、引っ越しも多い。

 …と、前置きが長くなってしまったけれど、ムナーリの年譜に戻ろう。

19371120日、ムナーリはマリネッティの『乳の衣服に奉げる詩』(ミラノ・ズニア・ヴィスコーザ宣伝部)の表紙と挿画を手掛けている。また、この年から1940年にかけて、「『読書』『自然』『ドムス』といった雑誌に表紙デザイン、記事が多数掲載」(p.344)されたとある。『乳の衣服に捧げる詩』の表紙は、図録に図版が掲載されている。上部に、空から撮影した工業地帯のような写真(ぱっと見た感じ、半導体に見える)が小さく緑色で印刷されており、真ん中に角の生えた牛の顔が赤い線で大きく描かれている。そしてその牛の目元を隠すように、くしゃっと皺を寄せた布地(これは、写真を切り貼りしたものだろうか)が横切る。タイトルのIL POEMA DEL VESTITO DI LATTEの文字は上部の写真と同じ緑色で印字されている。異なる要素を組み合わせているけれど、見た感じ、そつのない印象を受ける。

この年、ムナーリは「グラフィックと写真芸術の特別展」、「全国近代舞台美術展」、「パリ万国博覧会」に参加している。「写真」や「近代舞台」などの文字が目につく。ちなみに、1937年のパリ万博は「近代生活におけるアートとテクノロジー」というテーマを掲げている。

1938年、ムナーリは「機械主義宣言」をまとめたが、この宣言が発表されるのは1952年。1952年の年譜をちょっと覗いてみると、次のように書かれている。

 

「機械主義宣言」、「総合芸術宣言」、「解体宣言」、「有機的芸術宣言」が掲載されたMAC会報『具体芸術』10号が出版される。(p.346

 

 相変わらず未来派の一員として活動しているけれど、ムナーリの頭のなかでは新たな展開を迎える準備が進んでいたらしい…そんなことが想像できる記述である。なお、この年、ムナーリは二つのグループ展に参加している。そのうちのひとつが「20世紀を越えて」(127-9日、ミラノ、チルコロ・バルベラ)というタイトルのもの。まだ20世紀は62年も残っていたのに、もう「20世紀を越えて」だなんて、ちょっと気が早いのではないかと思ってしまったが、これは、戦争の世紀だった20世紀の様々な問題と、私たちがいまだに向き合っている最中だからなのかもしれない。

 

【書誌情報】

奥田亜希子編「ブルーノ・ムナーリ年譜」『ブルーノ・ムナーリ』求龍堂、2018年、pp. 342-357

【参考URL

https://www.bie-paris.org/site/en/1937-paris Bureau International des Expositionsホームページ。1937年パリ万博)

 

遠藤知恵子(センター助手)

2022年7月8日金曜日

ミニ展示 7月8日~22日

 センター入り口で、センター蔵書のミニ展示を行っております。

 今回は、ふだんキャビネットに収納している資料のなかから1冊、ご紹介いたします。


展示中の本

『こどもとしょかん』第173

 東京子ども図書館 2022年春号

 

 こちらの号には、昨年冬に逝去された故・松岡享子さんが毛筆で書かれた「はるよこい」のカードが添えられておりましたので、併せて展示いたします。いまはもう夏なのですが、ふっくらとした優しいピンク色の文字を眺めていると、「あとちょっとだけ、がんばってみようかな」という気持ちになれそうです。特集は「東日本大震災復興支援事業『3.11からの出発』十年間の試み」(小関知子・内田直子)、巻頭言はフォトジャーナリストの佐藤慧さんです。

 キャビネットはセンターを入って左側にあります。蓋をパカパカと開けて、中の資料もご覧いただけます。展示期間中も貸し出しをすることができます。どうぞお気軽にご利用ください。

2022年7月7日木曜日

熊沢健児の読書日記②

デヴィッド・ウィーズナー『かようびのよる』当麻ゆか訳、福武書店、1992

むかし住んでいた家の近くの池に、ヒキガエルが住んでいた。毎年6月になると、尻尾が取れて蛙の形になったばかりの、豆粒みたいな蛙たちが(喩えるなら、ハエトリグモくらいのサイズだった)、一斉に移動を始める。

近くに水辺なんてなかったけれど、とにかく彼らは池を出て、みな一様にひとつの方角を目指し、舗装路の上に小さな跳躍を重ねて進んでいった。どこか、ここではないどこかへ。道半ばにして事故に遭った蛙たちが、路上にぽつぽつとダークグレーの染みとなっているのは見かけたが、彼らが結局どこに行ったのかは、分からずじまいだった。

『かようびのよる』のページを繰りながら、私はあの6月の蛙たちのことを思った(あの子たちはまだ小さかったから、きっと、みんな…)。彼らも、この絵本に登場する蛙たちくらい大きくて、大胆で、睡蓮の葉に乗っていたらよかったのに。絵本の蛙たちが活き活きとしていればしているほど、悲しくなった。

絵本の最後のページを閉じてからもしばらくの間、考えてしまったのだった。


熊沢健児(ぬいぐるみ・名誉研究員)

2022年7月1日金曜日

速報! 研究会のお知らせ ※終了いたしました

構成員研究発表会のお知らせ 発表時間が変更になりました

おかげさまで、無事終了いたしました。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
 第67回研究会が決定いたしました。
 当大学院、博士課程(後期)に在籍する院生による研究発表会を開催いたします。

2022年8月4日(木)15:15~16:30(予定) 14:50~15:50
「対面」白百合女子大学クララホール/「遠隔」Zoom同時配信

①幼年文学の構造―「ねじれ」を中心に―
②日本の異界訪問譚にみられる動物観 —時間経過と寿命の相関性の分析―

 この研究会は、院生、本研究センター構成員、学内関係者はどなたでもご参加いただけます。また、同日、2022年度博士課程(前期)修士論文中間発表会等も予定しております。詳細が決まりましたら、改めてご連絡いたします。

 ご興味のある方は、8月4日(木)午後のスケジュールはぜひ空けておいてください!