2024年3月29日金曜日
2024年3月15日金曜日
2024年3月14日木曜日
ムナーリとレオーニ(34)
1950年
この年、レオーニはコネチカット州のグレニッチ(都市の名称、原文ママ。ニューヨークから見て北東に位置するGreenwichのことだろうか)に引っ越しをする。この年に「想像肖像」というシリーズを始めたとある。「想像肖像」シリーズの作品は、1963年の個展で展示されることになる。図録のキャプションには、「このシリーズは記憶の中にある顔とその正面性を追求したもの」(p.115)という説明がある。眼差しの強さは描かれた顔によってまちまちだが、静かに見つめていると、絵の人物から見つめ返されるような厳粛な感覚がある。
また、1950年の項目には「ニューヨークに移ってからは、ボブ・オズボーン夫妻やアレクサンダー・カルダー夫妻と交流を深め」たとある。1年のうちに2度も引っ越しをしたのだろうか。作品制作や人的交流もさることながら、その引っ越しの多さに驚いてしまう。
一方、ムナーリは1948年に設立に加わった具体芸術運動に関連する作品制作を続けており、1950年には「読めない本」シリーズと「陰と陽」シリーズの個展をそれぞれ開催。また、第28回ミラノ国際見本市のモッタ社のパビリオンのために設計を……ん? モッタ? え? モッタ? あのMotta?
思わず何度も読み返してしまったのだが、それというのも同じ製菓会社で、レオーニが働いていたことがあったからだ。1934年に就職した製菓会社モッタ社の広告宣伝部門で、レオーニは「モッタレッロ」というキャラクターをデザインしていた。まさか1950年のところでモッタに再会するとは!
モッタ社は戦前、パネットーネ(イタリアで食べられるクリスマス用のケーキ)やコロンバ(やはりイタリアの、イースターのお菓子)で成功していた。年譜によると、ムナーリが設計したのは、モッタ社のパビリオンのため、高さ12メートルの《役に立たない機械》だったそうだ。
生活にワクワク感や潤いを与えてくれるお菓子を作る会社と《役に立たない機械》の組み合わせ、なんだかいいな…などと思いながら、レオーニが若い頃に手がけた広告の図版を再び眺めるのだった。
【書誌情報】
奥田亜希子編「ブルーノ・ムナーリ年譜」『ブルーノ・ムナーリ』求龍堂、2018年、pp.342-357
「レオ・レオーニ 年譜」『だれも知らないレオ・レオーニ』玄光社、2020年、pp.216-219 ※執筆担当者の表示なし
2024年3月7日木曜日
ミニ展示 3月7日~15日
2024年3月1日金曜日
3月になりました
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| 茶色の猫さんが、植え込みを歩いていきます |
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| 何かを見つけた様子で、立ち止まりました |
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| じーっと見ています… 何を見ているのでしょう? |
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| あっ、立った! それにしても、猫って長いですね |
2024年2月29日木曜日
ムナーリとレオーニ(33)
1949年②
今回は、ムナーリの年譜を読んでいこう。
1949年、ムナーリは3月に個展を開催し、4つのグループ展に参加している。また、「第27回ミラノ国際見本市でモンテカティーニ社の展示プランを手がける」(p.345)とある。どんな仕事だろう。作品展示と違って、ちょっと想像しづらい。ムナーリ自身の作品でないと、図版入りで紹介されることは滅多にないので、かえって気になってしまう。
ともあれ、この年もムナーリは活躍中である。前年に引き続き、具体芸術に関連する作品展示(グループ展の「具体芸術ポートフォリオ第4集 リトグラフ24点」に参加。会期は9月24日-10月7日。会場はミラノのサルト書店)に参加し、世界的な芸術運動の只中に身を置き、途切れることなく作品発表を続けている。
1949年は玩具に関する事柄がふたつある。ひとつは雑誌掲載、もうひとつはグループ展への参加である。
まずはグループ展。12月に、ムナーリはミラノのアンヌンチャータ画廊で「アーティストのおもちゃ(クリスマス・プレゼント)」展に参加している。前年にも、同じ画廊で開催された「アーティストのおもちゃ」展に参加していた。1948年のグループ展の名称には「クリスマス・プレゼント」という言葉は見られないけれど、開催されたのは12月。やはり、クリスマスを意識した作品展だったと考えて間違いないのではないだろうか。
次に雑誌記事について。ムナーリの挿絵と写真付きの記事「ナイロンのひげをもったフォームラバーの猫」が『ピレッリ―情報と技術の雑誌』誌2巻第4号に掲載されたとある。年譜によると、この記事で紹介された猫の玩具は、ワイヤー入りのフォームラバーで作られた玩具、《小ざるのジジ》の原型となったそうだ。後年、ムナーリはこの《小ざるのジジ》でコンパッソ・ドーロ(金のコンパス)賞を受賞することになる。フォームラバー(foam rubber)はマットレスやクッションなどの素材にもなる、海綿のような多孔性のゴムである。「ナイロンのひげをもったフォームラバーの猫」の図版は残念ながら図録に収録されていないのだが、軽くてソフトな、肌ざわりの良い猫ちゃんだったのであろうと推察される。
図録では、ムナーリの言葉を引きながら具体芸術の作品の特徴を説明している(p.83 文章:奥田亜希子)。作品を構成する色と色、そして形と形の組み合わせが楽しい絵画作品や、ページをめくるごとに変化する「読めない本」シリーズなど、この時期のムナーリの作品は、色、形、動き、またそれらの関係性といった構成要素それ自体を味わい、全体の調和を楽しむことに力点が置かれているらしい。それらは、現実世界のあれこれのなかに、参照事項を持たない作品群である…が、まぁそうは言っても、作品から意味や物語を読み取るのは私たち鑑賞者の勝手であるし、それは具体芸術運動に参加していた当時のムナーリの作品であっても変わらない。
ただ、絵の背景と思っていた白や灰色の部分が、画面をじっと見ているうちに主役のように引き立って美しく見えたり、入り組んだ形に組み合わされた色面ががっぷり四つに組んでいるように見えたりして面白いのは、きっと、ムナーリの苦心の賜物なのだろう。
【書誌情報】
奥田亜希子編「ブルーノ・ムナーリ年譜」『ブルーノ・ムナーリ』求龍堂、2018年、pp.342-357
「レオ・レオーニ 年譜」『だれも知らないレオ・レオーニ』玄光社、2020年、pp.216-219 ※執筆担当者の表示なし
2024年2月22日木曜日
ミニ展示 2月26日~3月6日
センター入り口で、センター蔵書のミニ展示を行っております。
ブライアン・フラウド 絵 アリ・バーク 文
ルーンの魔法のことば 妖精の国のルーン文字
神戸万知 訳 原書房 2007年
展示期間中も貸し出しをすることができます。
どうぞお気軽にご利用ください。






