かこさとしさん 生誕100年
『はじめて学ぶ日本の絵本史 Ⅲ 戦後絵本の歩みと展望』
鳥越信編、ミネルヴァ書房、2002年
現在、上野の国立科学博物館では、企画展「生誕100年記念『かこさとしの科学絵本』」展が開催されています(6月14日まで)。同館ウェブサイトで、この企画展のチラシをダウンロードして、概要を見ることができます(※)。絵本原画や下絵に加え、「宇宙進化地球生物放散変遷総合図譜(生命図譜)」(全長約5メートル)や、この大きな図譜につながるものとして描かれた「生命の発生と進化」も展示されるそうです。
このチラシで展示構成を確認すると、全6章で成り立っていることがわかります。第2章「科学絵本の歴史とかこさとしの年譜」の内容は「福沢諭吉から始まる科学絵本の黎明期とかこ先生の生涯」というものです。この企画展第2章の章題と内容説明を読んで、鳥越信編著『はじめて学ぶ 日本児童文学史』(ミネルヴァ書房、2001年)の序章を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか? この本の序章で鳥越氏は、福沢諭吉『訓蒙 窮理図解』(上・中・下、慶應義塾、1868年)を日本近代児童文学の起点と位置付けています。
日本近代児童文学の起点を、科学の本である『訓蒙 窮理図解』と考えることそれ自体は1つの史観に基づくものではあるのですが、科学絵本と児童文学という、互いに関連を持ちながらもそれぞれの道をたどり、現在に至る2つのジャンルについて、考えを深める機会を持てたら嬉しいですね。
※国立科学博物館ウェブサイト「生誕100年記念『かこさとしの科学絵本』」https://www.kahaku.go.jp/tenji-event/nid00001839.html (2026/3/19確認)