2020年11月5日木曜日

猫村たたみの三文庫(非)公式ガイド

 (8)踊るのにゃ!

 

センター構成員の皆さま、ご機嫌いかがかにゃ?

三文庫の守り猫、猫村たたみですにゃ。お久しぶりでございますにゃ~。

 

突然にゃけど、皆さま、運動はお好きですかにゃ?

実は私、ダンスが好きなのですにゃ。

子どもの頃は習い事をたくさんさせてもらったのにゃけど、踊りのお稽古は大好きでしたのにゃ。

 

大人になってからは、タイピストをして働いたお給料を貯めて、バレエを観に行きましたのにゃ。あまりたくさんは観られにゃかったけれど、バレエの記事が載った雑誌を見つけては、切り抜きをスクラップブックに集めて、夢中になりましたのにゃ。

あの頃の最先端の舞踊は、洗練されたバレエの技巧と、古代ギリシャへの憧れと、モダンで遊戯的な感覚がせめぎ合い、それはもう、素敵なカオスでしたのにゃ(はにゃ~っ)。

 

光吉文庫でおなじみ、光吉夏弥先生の批評活動は舞踊から始まっているのにゃけど、光吉先生の批評は、私にとって教科書みたいなものにゃったので、大事に大事に読みましたのにゃ。

 

初期の批評活動については、絵本研究者の澤田精一さんの「戦前の光吉夏弥を尋ねて」(『図書』815 20171月)に詳しいですにゃ~。

澤田さんによると、光吉先生は慶應義塾大学在学中の1925年に最初の批評を2本書き、卒業までに3本の評論を専門誌に寄稿したそうですにゃ。

 

皆さまもご存じの通り、2年前に澤田さんがセンター主催の講演会で、「光吉夏弥――その生涯と時代」というテーマでお話ししてくださっておりましたのにゃね(講演録は白百合女子大学図書館の機関リポジトリに登録されていて、図版も含めオンラインで閲覧できますにゃ! 楽しいのにゃ!)。

192030年代の舞踊研究は、光吉先生が個人で行い、雑誌などに発表していたみたいにゃけど(私がスクラップしたやつにゃ!)、1930年から37年まで、先生のオフィシャルな顔は、国際観光局の職員さんだったのにゃね。澤田さんの講演録を読み返すと、絵本の翻訳や編集に携わる以前のお仕事や批評活動を振り返ることができ、戦後日本の翻訳絵本がもつ歴史的背景を再確認できますにゃね~。

 

入構制限が解除されるまで、三文庫の利用を休止しているのが心苦しいのにゃけど、皆さまにご来室いただけるその日まで、私こと猫村たたみ、全力で三文庫をお守りいたしますのにゃ! …にゃから、構成員の皆さまにおかれましては、まずは健康第一でお過ごしいただきたいのですにゃ。よく眠り、栄養のあるものを食べて、お日さまのもとで体を動かしましょうにゃ。

 

では(猫村、おもむろに立ち上がる)、踊るのにゃ! にゃ~にゃ、にゃ~にゃ、にゃ~にゃ、にゃ~…

 

[追記]

193211月発行の「岩波講座 世界文学」第1回配本『現代の舞踊』は、澤田さんが「戦前の光吉夏弥を尋ねて」で「これまでの総まとめの感がある」(p.18)と評していらっしゃる通り、(当時の)現代舞踊の面白さがぎゅぎゅっと凝縮された充実の小冊子にゃ。この『現代の舞踊』は、光吉文庫にもあるのにゃね。ちなみに、「戦前の光吉夏弥を尋ねて」が掲載された『図書』815号(20171月)もセンター内にありますにゃよ。