12月4日(木)夕方、毎年恒例のアドベントの集いが開かれ、ヒマラヤ杉のイルミネーションが始まりました。
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| 白百合のヒマラヤ杉は葉がよく茂っています。 この丸みのあるシルエット、可愛いでしょう? 風の強い夜はクラゲのように幻想的に揺れます。 |
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| こちらも毎年恒例となりました。 クマさんのサンタクロースも、 講堂からイルミネーションを見ています。 |
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| チャペルには、プレゼピオ(イエス・キリストの 降誕を再現した人形や模型)が飾られています。 心静かに、聖書の一場面に思いを馳せます。 |
12月4日(木)、アドベントの集いが行なわれます
展示中の資料
『山のクリスマス』
ルドウィヒ・ベーメルマンス 文・絵
光吉夏弥 訳編 岩波書店 1953年
「マドレーヌ」シリーズの作者として知られる、ベーメルマンスの作品です。
町で暮らすハンシは、チロルの山にあるハーマンおじさんの家に呼ばれ、冬休みを山で過すことになりました。お母さんと離れて過ごすのは初めてのハンシ。どんなクリスマスになるでしょうか。
展示中の資料
『こねこのバベット』
クレア・ターレイ・ニューベリー 文と絵
光吉夏弥 訳 ブッキング 2007年
※『クリスマスのこねこ』(大日本図書、1980年)を改題、復刊
11月20日は光吉夏弥先生のお誕生日です。そして、その10日後の11月30日にはアドベント(待降節)が始まり、クリスマスの準備をする楽しい季節がやってきます。そこで、11月後半から12月にかけてのミニ展示では、センター蔵書のなかから光吉先生が翻訳された、クリスマス関連の書籍を3回連続でご紹介いたします。
連続展示の第1回は『こねこのバベット』。表紙に描かれた、ちょこんと座ってこちらを見る子猫の愛らしさときたら、もう!
『子どもの文化』第7巻第4号、1975年4月
〈特集〉漫画のなかの子ども50年
2025年は昭和元年から数えて100年目の節目の年です。ひとつ前の節目となっていた50年前、すなわち昭和50年=1975年発行のこの雑誌で、マンガ(漫画)に描かれた子ども像を振り返り、その変遷を追いかけてみましょう。
センター所蔵の雑誌『子どもの文化』第7巻第4号(1975年4月)では、「漫画のなかの子ども50年」という特集を組んでいます。特集は、「漫画のなかの子ども50年 主人公にみる、子ども像の変遷」と、「私が見てきた子ども漫画の50年」(漫画評論家、石子順氏が漫画博士の須山計一氏にインタビューする対談記事)の二つの記事で構成されています。
本特集の前半部分である、「漫画のなかの子ども50年 主人公にみる、子ども像の変遷」では、石子氏提供による子ども向け漫画34作が紹介され、それぞれの作品に登場する子ども主人公の姿を年代順に見ることができます。
北澤楽天「とんだはね子」に始まり、関谷ひさし「ブンちゃん」に終わる、この子ども像変遷史。もしも、これをさらにもう50年分続けて、私たちの時代につなぐとしたら、あなたならどんなマンガの主人公を選びますか?
本センター所長、浅岡靖央先生のご寄贈により、竹内オサム氏が個人で発行していた雑誌『ビランジ』が、ここ児童文化研究センターに全号揃っています。センターのライブラリーを担当する助手は、この雑誌のご寄贈を受けたとき、(えっ、いいんですか?)と、内心、うろたえてしまったとか。それくらい、あると嬉しい雑誌なのです。受け入れ作業が済んで利用可能な状態になったときは、この助手、浮かれて小躍りしていましたよ。
『ビランジ』の前に発行されていた『ポラーノ』(大阪国際女子大学人間科学部 コミュニケーション学科)も、やはり浅岡先生のご寄贈で、第3号から第8号まで所蔵しています(所長、ありがとうございます!)。
1963年のレオーニは、1950年から制作していた「想像肖像」シリーズの作品を、ミラノのナヴィリオ・ギャラリーで展示。実在する人も、実在しない人もモデルになっているという面白いシリーズである。また、この年、レオーニの代表作中の代表作が出版される。『スイミー』である。レオーニにとって4冊目となるこの絵本は、1964年のコルデコット賞次点に、そして、1967年第1回プラスチラバ世界絵本原画展で「金のりんご賞」を受賞する。日本では、谷川俊太郎訳で1969年に好学社から刊行されている。小学校の国語教科書に掲載されたり、是枝裕和監督の映画『万引き家族』(2018年)に登場したり、『スイミー』ほどたくさんの人に親しまれている作品はないのではないだろうか。
しかし、「だれも知らないレオ・レオーニ」展図録によると、『スイミー』の原画は行方不明だそうだ。会場で「原画」として展示されていたのは、レオーニが制作した別ヴァージョンのものである。レオーニは『スイミー』制作にあたって、モノタイプという、偶然を活かした版画技法を用いており、同展開催前に行われた調査で、関連作品が大量に発見されている(松岡希代子「『スイミー』原画の謎」p.185)。それにしても、本物の原画はどこにあるのだろう。探し物の常として、忘れかけた頃に思いがけないところからひょっこり出てくるのかもしれない。見つかったら、それは絵本史に残る大発見になる。
さて、1963年のムナーリはと言えば、相変わらず精力的に作品発表をしている。個展を1回と、グループ展を5回。
ところで、前回、1962年にオリヴェッティ店舗で開催されたグループ展について、ウンベルト・エーコの『開かれた作品』についてのリポートを熊沢健児氏にお願いしようと書いた。しかし、「頼めば3~4週間で書いてくれるはずだ」という私の言葉が熊沢氏の気に障ったらしく「そんな簡単に書けないよ!」と叱られてしまった。あれからもう数か月も経つのに、会うたびにご機嫌斜めである。自分で読んでリポートするしかないのか…困った。
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| ご機嫌斜めで、背を向けて寝っ転がる熊沢氏。 普段は、下の画像に見る通りの紳士です。 |
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| 熊沢健児(くまざわ・けんじ) 児童文化研究センター名誉研究員(ぬいぐるみ)。 センター入り口のミニ展示の隣で皆さまをお迎えします。 |
【書誌情報】
奥田亜希子編「ブルーノ・ムナーリ年譜」『ブルーノ・ムナーリ』求龍堂、2018年、pp.342-357
「レオ・レオーニ 年譜」『だれも知らないレオ・レオーニ』玄光社、2020年、pp.216-219 ※執筆担当者の表示なし
遠藤知恵子(センター助手)